fc2ブログ
2022/06/26 (Sun) 09:00

西都農協会館

sit-ac104.jpg
西都農協会館(旧 西都市農協会館)
宮崎県西都市右松2071/1967年/鉄筋コンクリート造2階建 
設計:円建築設計事務所 施工:熊谷組

 今回は宮崎県の西都(さいと)市より、西都農協会館をご紹介します。JA西都の本所や中央支所、建築不動産センターなどが入居する施設です。1967(昭和42)年9月に西都農協会館として完成しました。

スポンサーサイト



続きを読む

2022/06/18 (Sat) 21:00

Twitter開設しました

 表題のとおり、Twitterのアカウントを開設しました。数年前にもう一つブログを作りながら放置している前科があるので、Twitterとの二刀流は我ながら期待できそうもありません。大方ブログの更新通知であったり、過去に取り上げた内容をTwitterにも流したりといった使い方になるかと思います。

 

 ついでにはじめに📄を加筆しました。趣旨目的について整理したうえで、今後ともブログをメインに細々とやっていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

2022/03/12 (Sat) 09:00

最近解体された大分県の近代建築7件



 コロナ下の生活も早2年。過去に訪れたことのある建物や、目星をつけていながら未訪の建物について、ネット上で近況を確認する機会が一層増えました。とりわけGoogleマップは有難い存在で、つくづく便利な時代になったものだと感じます。その反面、悲しい事実を知ってしまうことも少なくありません。航空写真やストビューを見ると更地になっていたり、有名な建物だと解体の情報が挙がっていたりします。
 そこで今回は最近解体された大分県の近代建築7件をご紹介します。なぜ大分県限定なのかというと、好きだった or 気になっていた建物の解体がたまたま多かったため。県別にシリーズ化するほど各地で解体が相次いでいる訳ではない(と思う)ので、その点はご安心ください。

続きを読む

2022/02/20 (Sun) 09:00

アパート秀峰苑

dml-oita005.jpg
アパート秀峰苑(旧 百三十銀行中津支店?、現存せず)
大分県中津市古博多町1552/明治~昭和戦後期?/木造2階建?/2019~20年ごろ解体

 福岡県に隣接する旧城下町・中津にあったアパート秀峰苑。かつての銀行を転用したとされる建物で、いかにも銀行建築らしい古典主義風のファサードと用途のギャップが印象的でした。ストビューを見ると2019年7月時点🔗では健在ですが、20年11月時点🔗では更地となっています。残念ながらこの間に解体されたようです。
 以下は私の推測に過ぎないことにご留意いただきたいのですが……もとは百三十銀行中津支店として1908(明治41)年に建てられ、増改築を経て今日まで残っていたものではないかと思います。過去にも少し取り上げましたが、せっかくなのでもう少し詳しく見ていきましょう。

続きを読む

2022/01/09 (Sun) 21:00

旧 かねしげビル


小倉北区魚町のビル(旧 かねしげビル)
福岡県北九州市小倉北区魚町2丁目3-19/1973年/鉄骨造4階建 
設計:葉祥栄、和久野博 施工:清水建設

 明けましておめでとうございます。今年最初にご紹介するのは、北九州・小倉の魚町銀天街に面するビル。1973(昭和48)年の完成で、当初はかねしげビルという名称でした。

続きを読む

2021/12/30 (Thu) 09:00

雑記(2021年の杳々)



 あっという間に2021年もあと少し。前途洋々、意気揚々なんて日々は訪れなかったものの、先の長い暗がりを進むことにも多少慣れてきた一年でした。利用制限などの影響で図書館へ行く機会が減少する一方、その反動もあってか古書を少々軽率にポチるようになるなど、幸か不幸か着々と順応しつつある気がします。
 他方、今年も時機を見計らいつつ九州各地へ足を運んだため、相変わらずネタの消費どころか整理すらままならない状況でした。未来ばかりか過去まで真っ暗では甚だ覚束ない、という訳で例年のごとく備忘録をしたためたいと思います。

続きを読む

2021/12/26 (Sun) 10:00

明光寺 本堂

myokoji006.jpg
曹洞宗大宝山 明光寺 本堂 
福岡市博多区吉塚3丁目8-52/1924年/鉄筋コンクリート造平屋建 
設計施工:木田組(木田保造)

 今回は博多区吉塚にある明光寺(みょうこうじ)の本堂をご紹介します。広い境内の奥にあり、遠目には単に「歴史の古そうな立派なお寺だな~」という印象。そのため近づかないと気づきにくいですが、よく見ると風格の割に木造ではなさそうな雰囲気です。
 実は、先代の本堂が火災で焼失したことを受けて、1924(大正13)年にRC造で再建されたもの。つまりは戦前のRC寺院建築です。今年7月には「寺院の伝統様式を耐火工法で実現した造形の規範」として価値が認められ、境内の他2棟とともに国の有形文化財に登録されました。

続きを読む

2021/08/29 (Sun) 06:00

三井化学J工場(後編)


三井化学大牟田工場J工場
(旧 三井鉱山三池染料工業所J工場/第2アゾ染料工場)

福岡県大牟田市浅牟田町30/1938年完成/鉄筋コンクリート造7階建 
設計:三井鉱山三池製作所? 施工:未確認 備考:2021年9月から解体予定

 前回📄に続き、三井化学大牟田工場J工場。後編となる今回は、過去3度の訪問で撮りためた外観の写真をひたすら並べていきます。大牟田工場は福岡ドーム(PayPayドーム)約36個分という広大な敷地を有していますが、J工場が建っているのは北西のほぼ隅といっていい場所。他の工場建屋に比べて一際高いこともあり、敷地外からその偉容を拝見することができます。
 一方、工場敷地は当然ながら関係者以外の立入りが禁止されているため、見学の際は必然的にアングルが限られることになります。しかし、私のような何のコネもない一部外者であっても、敷地内から間近に見上げることのできる貴重な機会がありました。大牟田工場主催のイベント、「オオタムフェスタ」です。

続きを読む

2021/08/26 (Thu) 21:00

三井化学J工場(前編)


三井化学大牟田工場J工場
(旧 三井鉱山三池染料工業所J工場/第2アゾ染料工場)

福岡県大牟田市浅牟田町30/1938年完成/鉄筋コンクリート造7階建 
設計:三井鉱山三池製作所? 施工:未確認 備考:2021年9月から解体予定 

 福岡県最南端の大牟田(おおむた)市より、三井化学大牟田工場J工場をご紹介します。明治中期に官営三池炭鉱の払下げを受けた旧三井財閥は、国内随一の大炭鉱へ成長させるとともに、石炭を中核とする重化学工業地帯を築き上げました。その一角を占めたのが大牟田工場の前身、三池染料工業所です。もともとは焦煤(コークス)工場として石炭からコークスを製造していましたが、副産物からアリザリンやインジゴといった染料の合成に成功し、染料工場として発展。昭和初期には三井鉱山(株)全体の純利益の2~3割を占めるまでになり、1941(昭和16)年に三井化学工業(株)として独立しました。
 J工場は合成染料事業が盛んになる1930年代、アゾ染料の設備拡充の一環として建設されたものです。高さ47メートルと当時としては破格の高層建築で、長らく地域のランドマークとして親しまれてきました。産業史・地域史の観点からも高い評価を受けており、2007年には経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。
 しかし、石炭化学から石油化学への転換などに伴い、大牟田工場における主力製品も変容していく中、三井化学は08年3月をもってJ工場の稼働を終了。さらに16年の熊本地震後に行った調査で耐震強度不足が判明したことを受けて、同社はJ工場の解体を決定しました。解体工事は来月から始まる予定です。

続きを読む

2021/08/15 (Sun) 09:00

第一紡績 荒尾工場


第一紡績 荒尾工場(旧 九州紡網 紡績工場)
熊本県荒尾市増永1850/1949年操業開始/煉瓦造+木造、平屋建 
設計:坂上宗雄、奥田金行 施工:萩原組

 今回は熊本県荒尾市に本社を置く第一紡績(株)の工場をご紹介します。昔ながらの鋸屋根と、独特の黒々とした煉瓦が目を引く紡績工場です。戦後間もない1948(昭和23)年に建設され、翌49(同24)年から綿糸の生産を開始しました。
 戦後生まれの大規模な煉瓦造工場建築であり、しかも築70年を超えてなお現役という、驚嘆するほかない建物です。さらに嬉しいことに、同社は『第一紡績三十年史』(1980年)という社史を編纂・刊行しています。建物についても同書で詳述されていますが、建設に至った経緯や時代背景を探るべく、まずは会社の歴史から見ていきましょう。

続きを読む

2021/04/25 (Sun) 09:00

湯布院公民館


由布市 湯布院公民館(旧 湯布院町中央公民館)
大分県由布市湯布院町川上3758-1/1972年/鉄筋コンクリート造、地下1階・地上2階建
設計:辻隆司建築設計事務所 施工:梅林建設 備考:2021年3月閉館

 あっという間に4月下旬。遅れに遅ればせながら、2021年もよろしくお願いします。今回ご紹介するのは湯布院公民館。大分県由布(ゆふ)市の旧 湯布院(ゆふいん)町の中心部、JR久大本線・由布院駅📷の至近に位置する公民館で、1972(昭和47)年4月に湯布院町中央公民館として開館しました。
 以来、市町村合併を経て町民市民に親しまれてきましたが、このほど市役所分庁舎との合築による新施設が完成。機能移転のため先月上旬に閉館し、49年間の歴史に幕を下ろしています。

続きを読む

2020/12/31 (Thu) 06:00

雑記(2020年の揺々)



 何だかんだで2020年も残り僅か。新型コロナウイルスことCOVID-19の感染拡大、そして度重なる豪雨災害と、揺れに揺れた一年でした。一方で個人的には、そんな社会の変動からすれば至極些細なことが原因で、ブログの更新が手に付かない難儀な日々を送っていたのですが。
 もっとも、緊急事態宣言発令中や感染拡大期を除けば、九州各地を訪れる機会がそれなりにあり、ネタの方は順調に積み上がるばかりでした。という訳で例年通り、この一年の歩みを振り返りたいと思います。

続きを読む

2020/07/29 (Wed) 09:00

みずほ銀、店舗統合 久留米など対象



 久々の更新。みずほ銀行が近く店舗網の再編に踏み切るようなので、本格化する前に取り上げておきます。現時点で予定されている対象店舗は、いずれも他の店舗内に移転する店舗内店舗(ブランチ・イン・ブランチ)方式を採用。九州・山口では、福岡県内と山口県下関市の計4か店が該当します。

続きを読む

2020/03/29 (Sun) 09:00

天神コア ほか


天神コアビル 
福岡市中央区天神1丁目11-11/1976年/鉄筋コンクリート造+鉄骨造、地下3階・地上8階建(塔屋2階)
設計:東京浦辺建築事務所 施工:間組・鹿島建設JV

 今回は小ネタです。再開発のため今月末(2020年3月31日)に閉館する商業施設・天神コアについて、少しばかり書き留めたいと思います。同施設は1976(昭和51)年6月5日に開業。隣接する天神ビブレ(先月閉館)とともに、「天神一丁目第一防災建築街区造成事業」の一環で建設された再開発ビルです*1
 もともとこの場所には西鉄街、銀座通り商店街、それに因幡町商店街がありました。いずれも木造店舗が密集しており、火災対策が長年の懸案となっていましたが、71年には約30店が全半焼する大火が発生。これを機に耐火ビル建設の気運が一段と高まり、また時を同じくして天神地区への商業集積も進んでいたことから、一体的な大規模商業施設が誕生するに至りました。

続きを読む

2020/03/14 (Sat) 09:00

伊万里市民会館


伊万里市民会館
佐賀県伊万里市松島町73-1/1971年開館/鉄筋コンクリート造2階建(事務所棟)
設計:総合計画設計事務所 施工:黒木組 備考:大ホールは2020年3月末に廃止予定

 今回は伊万里市民会館をご紹介します。佐賀県の伊万里(いまり)市中心部の少し北側、伊万里駅(JR筑肥線・松浦鉄道)から徒歩10分余の距離に位置する文化施設です。約1千人収容の大ホールと事務所棟から構成され、1971(昭和46)年の11月3日=文化の日に開館。敷地内にある中央公民館(前年開館)と老人福祉センター(翌年開館)と併せ、同市の文化センターとして一体的に整備されました*1
 以来、地域の芸術・文化の振興に寄与してきましたが、いずれの施設も完成からおよそ半世紀が経過。とりわけ大ホールについては、空調や舞台装置など設備の老朽化が著しいことに加え、近隣に同種施設(市民センター/1992・H4開館)が存在することから、維持管理に要する財政負担が懸念されていました。このため市は昨年、大ホールを廃止する方針を表明。12月の市議会で関連議案が可決され、同年度末の廃止が決定しました*2
 したがって当館の大ホールは今月末、つまり2020年3月をもって廃止となります。ただし、建物は解体せずに存置するとのこと。また大ホール以外の部分(楽屋・ホワイエ)は、隣接する事務所棟とともに今後も従来通り利用できるそうです*3

続きを読む

2020/02/29 (Sat) 09:00

玉名市民会館

tmn-ch050.jpg
玉名市民会館 大ホール
熊本県玉名市岩崎152-2/1967年開館/鉄骨鉄筋コンクリート造3階建
設計:野見山建築設計事務所 施工:未確認 備考:2020年3月末閉館予定

 いつの間にやら2月末ですが、2020年もよろしくお願いします。今回ご紹介するのは熊本県北部の玉名(たまな)市にある玉名市民会館。市中心部の少し北側、ちょうど玉名駅(JR鹿児島本線)と新玉名駅(九州新幹線)の中間付近に位置しており、周辺には市役所や博物館なども立地します。
 大ホールと会議室棟の2棟から構成され、このうちホールの開館は1967(昭和42)年4月。当初の収容人員は1200人で、八代市厚生会館📷(1962・S37/芦原義信建築設計研究所)に比肩する県内随一の施設でした。以来長らく市民に親しまれてきましたが、完成後半世紀を経て老朽化等の問題が見られるようになり、市は新たな市民会館の建設を決定。計画への異論や入札不調もあって一時停滞したものの、2018年に着工にこぎ着けました。場所はすぐ近くの市役所向かいで、今年3月末完成、6月オープンの予定です。
 新会館の完成に伴い、現ホールは3月末に閉館。53年の歴史に幕を下ろします。建物は解体され、跡地には広場を兼ねた駐車場が整備される方針です。

続きを読む

2019/12/31 (Tue) 10:00

雑記(2019年の細々)



 気が付けば2019年もあと半日です。今年も何だかんだで九州各地へ出かけましたが、ブログの更新はいつになく滞り気味。インプットは細々(ほそぼそ)と続けていた反面、アウトプットはなおざりとなってしまいました。そこで、例年通り一年の歩みを振り返る訳ですが、いつにも増して細々(こまごま)と書き連ねたいと思います。取り上げる建物は30件余り。分量が多いのは今に始まったことではなく、いつもの自己満足ということで何卒ご容赦ください。

続きを読む

2019/12/23 (Mon) 16:00

気になる銀行のニュース2件+1



 久しぶりの更新です。相変わらずネタが溜まっていく一方ですが、最近気になったニュースに便乗し、関連する建物をこの機会に取り上げたいと思います。いずれも銀行の話題で、長年の懸案だった「十八・親和両行の合併に伴う店舗統合」と、にわかに降って湧いた「西日本シティ銀行本店の再開発」の2つ。それらに加え、ニュースというには少々古いネタを添えておきます。

続きを読む

2019/08/07 (Wed) 09:00

長崎市シルバー人材センター


長崎市シルバー人材センター(旧 長崎原爆被爆者福祉会館)
長崎市岡町2-13/1960年/鉄筋コンクリート造地下1階・地上3階建 
設計:長崎市建設部建築課 施工:未確認

 今回は長崎市シルバー人材センターをご紹介します。浦上地区の平和公園📷そばに立地する建物で、竣工は1960(昭和35)年12月。もともとは長崎原爆被爆者福祉会館として、長崎原子爆弾被爆者対策協議会(原対協)によって建てられた施設でした。
 竣工に伴い原対協の事務局が入居し、翌年2月以降に診療・職業補導・宿泊などの事業を順次開始。後年、事務局や診療・検査機能は別の施設へ移ったものの、99(平成11)年3月の廃止まで40年近くにわたり、援護事業の拠点として被爆者の生活支援に貢献してきました。廃止翌年に土地・建物が市へ寄贈され、以後は用途を変えつつ余生を送っています。
 なお、市の耐震化に関する資料(昨年度)によると、当建物についてはいずれ解体する方針のようで、耐震診断等は実施されていないとのことです*1

続きを読む

2019/07/28 (Sun) 09:00

長崎市庁舎

ngsk-ch041.jpg

 今回は長崎市役所庁舎をご紹介します。JR長崎駅から程近いエリアに複数の庁舎が立地し、このうち本館は1959(昭和34)年の完成。各階に庇を巡らせた端正な外観で、簡素ながらも美しいモダンな庁舎建築です。しかし、庁舎が分散していて不便なことや、本館などで老朽化が進んでいることから、市は2016年までに新庁舎建設の基本計画を策定。近隣の市公会堂📷跡地へ機能を移転・集約するという内容で、22年度内の竣工を目指しています。

続きを読む