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2020/03/29 (Sun) 09:00

天神コア ほか


天神コアビル 
福岡市中央区天神1丁目11-11/1976年/鉄筋コンクリート造+鉄骨造、地下3階・地上8階建(塔屋2階)
設計:東京浦辺建築事務所 施工:間組・鹿島建設JV

 今回は小ネタです。再開発のため今月末(2020年3月31日)に閉館する商業施設・天神コアについて、少しばかり書き留めたいと思います。同施設は1976(昭和51)年6月5日に開業。隣接する天神ビブレ(先月閉館)とともに、「天神一丁目第一防災建築街区造成事業」の一環で建設された再開発ビルです*1
 もともとこの場所には西鉄街、銀座通り商店街、それに因幡町商店街がありました。いずれも木造店舗が密集しており、火災対策が長年の懸案となっていましたが、71年には約30店が全半焼する大火が発生。これを機に耐火ビル建設の気運が一段と高まり、また時を同じくして天神地区への商業集積も進んでいたことから、一体的な大規模商業施設が誕生するに至りました。

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2019/03/10 (Sun) 09:00

博多センタービル


博多センタービル(旧 平和農産工業博多平和ビル)
福岡市博多区博多駅前3丁目5-7/1975年/鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階・地上13階建
設計:草野建築事務所? 施工:竹中工務店

今回は博多センタービルをご紹介します。福岡市の玄関口・JR博多駅から南西へ徒歩10分弱、住吉通り沿いの交差点角に建つオフィスビルです。竣工は1975(昭和50)年と比較的古いビルですが、築後40年超が経過した昨年夏、一件のニュースによって大きく注目されました。

 福岡市の再開発事業「天神ビッグバン」に伴い、福岡市・天神の福岡ビルなどの建て替え計画を進める西日本鉄道(福岡市)は、同ビルにある本社を2019年3月末に、同市博多区博多駅前3丁目の大型オフィスビルへ移転する方針を固めたことが分かった。
 移転先は地上13階、地下2階建ての博多センタービル。西鉄はテナントとして入居し、全ての本社機能を移す。センタービルは耐震補強工事のためテナントの退去を進めており、約700人が働く本社オフィスを一括で収容できるスペースを確保できることから、移転先に決めたとみられる。再開発後、本社を元の場所に戻すかは未定。
(後略)

※西日本新聞2018年7月24日(火)朝刊記事(西鉄本社が博多駅前に移転 来年3月、建て替え受け)より引用

昨年当ブログでも紹介した福岡ビル📄の再開発に伴い、これまで同ビルに入っていた西日本鉄道の本社が、こちらの博多センタービルに移転するというのです。なお、先月の同社発表によると、明日3月11日(月)から月末にかけて順次機能を移転させ、4月1日(月)から正式に当ビルで営業を開始するとのこと。

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2018/09/12 (Wed) 09:00

在福岡米国領事館


在福岡米国領事館
(福岡アメリカ領事館/U.S. Consulate Fukuoka)

福岡市中央区大濠2丁目5-26/1960年/鉄筋コンクリート造地下1階・地上2階建
設計:クラーク ビュトラー ロックライズ共同事務所 施工:鹿島建設九州支店

今回は在福岡米国領事館をご紹介します。国内に5か所あるアメリカ領事館の一つで、九州・山口の8県を管轄しています。戦後の1950年に創設され、1960(昭和35)年に現在の建物が完成しました。

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2018/02/16 (Fri) 09:00

福岡ビル


福岡ビル(福岡ビルディング)
福岡市中央区天神1丁目11-17/1961年/鉄骨鉄筋コンクリート造、地下3階・地上10階建
設計:日建設計工務 設計顧問:内藤多仲、今井兼次 施工:間組福岡支店

いつの間にやら2月も半ばになりますが、2018年もよろしくお願いします。さて、今年最初にご紹介するのは、福岡市の中心・天神の一等地に建つ福岡ビル。大手私鉄・西日本鉄道により、同社の本社や銀行支店、商店街などの入る複合ビルとして計画され、1961(昭和36)年12月末に竣工しました。

延床面積は4万2456平米(当初)で、当時としてはもちろん半世紀以上が経過した現在も、なお市内有数の規模を誇るビルです。しかし近年、周辺一帯の高さ制限が緩和された*1 こともあり、西鉄はビルの建て替え方針を決定。隣接する商業施設(天神コア・天神ビブレ📄)との一体的な再開発が検討されています。

【追記】2019(平成31)年4月6日に閉館。西鉄本社は博多センタービル📄へ移転。

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2017/09/02 (Sat) 09:00

JA福岡県会館


JA福岡県会館(福岡県農協会館)
福岡市中央区天神4丁目10-12/1960年/鉄筋コンクリート造+鉄骨造、地下1階・地上5階建
設計監理:石本建築事務所 施工:竹中工務店

今回はJA福岡県会館をご紹介します。県農業協同組合中央会(JA福岡中央会)や県信用農業協同組合連合会(JA福岡信連)、県農協健康保険組合(JA福岡健保)、全国共済農業協同組合連合会 福岡県本部(JA共済連福岡)などが入居する、JAグループ福岡の拠点施設です。1960(昭和35)年2月に着工し、同年12月に竣工しました。

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2017/08/19 (Sat) 09:00

福岡市民会館


福岡市民会館
福岡市中央区天神5丁目1-23/1963年/鉄筋コンクリート造+鉄骨造、地下1階・地上4階建
設計監理:村田大旗建築事務所 施工:大林組福岡支店

 今回は福岡市民会館をご紹介します。天神5丁目の須崎公園に隣接し、大小2つのホール(各1770・354席)を有する文化施設で、1963(昭和38)年10月に竣工・開館しました。

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2016/12/17 (Sat) 09:00

福岡三栄ビル

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福岡三栄ビル(旧 福岡不動産ビル)
福岡市中央区天神1丁目14-16/1964年/鉄筋コンクリート造地下2階・地上6階建(塔屋3階)
設計:日建設計工務 施工:清水建設

本年最後の建築紹介記事となる今回は、天神の昭和通り沿いにある福岡三栄ビルをご紹介します。

数年前に “物件情報サイトに載ってた1964年竣工のビル” として何気なく訪れたところ、思いがけず現れた威容に圧倒されたのですが、その割には中身が何の変哲もないオフィスビルであるため、どこか引っかかる存在として印象に残っていました。しかし昨年になって、ふと「そういえば昔はあおぞら銀行の福岡支店が入ってたな」と思い出して支店の沿革を確認してみると、同行がまだ日本不動産銀行と名乗っていた1964(昭和39)年、すなわちビルの竣工と同じ年に近隣から移転入居していたことが明らかに。そこで「ひょっとしたらこのビルは日本不動産銀行によって建てられたのでは」と推測するに至ったのですが…

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2016/01/23 (Sat) 09:00

福岡中央銀行清川支店


福岡中央銀行清川支店 (旧 正金相互銀行清川支店)
福岡市中央区清川1丁目12-3/1969昭和44年?/鉄筋コンクリート造地上2階地下1階建

久しぶりに福岡市の建物を紹介します。住吉通りの清川交差点から少し入った所、清川ロータリーへと続く通り沿いにある福岡中央銀行清川支店です。

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2015/07/04 (Sat) 09:00

サンケン・エンジニアリング本社事務所


株式会社サンケン・エンジニアリング 本社事務所
福岡市南区大楠2丁目13-7/1960~61年頃/木造?

今回は南区の大楠2丁目にある、舞台・ホール設備の施工会社「サンケン・エンジニアリング」本社の建物をご紹介します。同社のHPによれば設立は1966年とのことですが、国土地理院の航空写真を見ると、建物自体は1960年5月から61年5月までの1年間に建てられているようです。

舞台機構・特殊機構・環境事業の株式会社サンケン・エンジニアリング > 会社概要

KU601YZ-C1-31 (1960年5月12日撮影)
MKU611-C11-32 (1961年5月13日撮影)

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2015/05/30 (Sat) 09:00

九州大学 旧応用物質化学分子教室ほか



今回はオマケ回です。箱崎キャンパスに存在する昭和戦後~後期のRC造建築のうち、建築学教室五十周年記念講堂以外で気になったものを簡単にご紹介します。いずれも所在地は福岡市東区箱崎6丁目、箱崎キャンパス理系地区の敷地内。また有識者調査の対象にはなっておらず、保存活用は検討されていません。

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2015/05/30 (Sat) 09:00

九州大学出版会 旧事務所

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九州大学出版会 旧事務所
(九州大学 松原実験研究棟)

福岡市東区箱崎7丁目1-146/1950年代?/木造2階建

箱崎キャンパスの北端、貝塚駅(西鉄側)のすぐ近くにある建物。キャンパス配置図には「松原実験研究棟」との記載があり、もともとは大学(農学部?)の研究施設だったようです。近年は九州大学出版会の事務所が入居していましたが、同事務所は先月20日に早良区百道浜のイノベーションプラザへ移転したとのこと。旧事務所の取扱いには言及がなく、現在の用途は不明です。

◎九州大学出版会HOME > トピックス > 事務所の移転について

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2015/03/29 (Sun) 09:00

香椎花園前駅 駅舎


香椎花園前駅 駅舎
福岡市東区香住ケ丘6丁目/1949年/木造平屋建

香住ケ丘界隈のネタをもう一つ。西鉄貝塚線(旧宮地岳線)の香椎花園前駅の駅舎をご紹介します。駅自体の開業は西日本鉄道が発足する以前、博多湾鉄道汽船時代の1941(昭和16)年のことで、今回取り上げる現在の駅舎は1949(昭和24)年の建築とのこと。

香椎花園前駅 (Wikipedia)

当駅付近ではほぼ南北に路線が走っており、西鉄が運営する遊園地・香椎花園(かしいかえん シルバニアガーデン)が存在する線路西側に駅舎が建っています。

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2015/02/13 (Fri) 09:00

福岡日興ビル

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福岡日興ビル
福岡市中央区天神1丁目10-22/1958年10月/鉄骨鉄筋コンクリート造地上7階地下1階建(塔屋2層)
設計:三菱地所株式会社 施工:戸田組福岡支店 【追記】2017~18年ごろ解体、現存せず

福岡市の中心部・天神1丁目の明治通り沿いに建つ古いビル。何となくビルの名称から察しが付くように、もともとは日興証券(現・SMBC日興証券)の福岡支店が入居するオフィスビルとして建てられました。

現在はカラオケ店が主要なテナントとなっており、オフィスビル情報サイトには掲載されていないため、ウェブ上では建物の基本的なデータがほとんど見当たりません。そのため長らく(特に竣工年が)気になる存在となっていましたが…

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2014/12/27 (Sat) 10:00

九州大学 創立五十周年記念講堂

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九州大学 創立五十周年記念講堂
福岡市東区箱崎6丁目/1967年10月/鉄筋コンクリート造地上4階地下1階建
設計:九州大学光吉健次研究室、綜合建築設計研究所 施工:戸田建設

旧工学系エリアのほぼ中央に位置する、大胆な造形の建物。大学設立50周年の記念事業の一環として、1967年に竣工しました(開館は翌年4月)。設計は建築学教室と同じく、故・光吉健次氏が中心となっています。

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2014/12/27 (Sat) 10:00

九州大学 建築学教室

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九州大学 建築学教室
(工学部建築学科、人間環境学府、人間環境学研究院)

福岡市東区箱崎6丁目/1959年3月、1960年3月/鉄筋コンクリート造4階建など
設計:光吉健次 施工:清水建設、竹中工務店

キャンパス西側の小松門から入って左側、やや分かりにくい(?)場所にある建物。建築学教室として1959年・60年の2期にわたって建てられ、工学部の大半が伊都へ移転した現在も、建築学科などがそのまま入居しています。

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2014/08/05 (Tue) 15:00

博多郵便局(現存せず)

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博多郵便局(旧局舎、現存せず)
福岡市博多区博多駅中央街8-1/1966年/鉄筋コンクリート造地上7階(一部8階)建

今回ご紹介するのは、再開発のため既に解体された博多郵便局の旧局舎。博多駅の駅前(博多口=西側)にありました。長らく福岡都市圏を代表する郵便局として重要な役割を担ってきましたが、郵便物の輸送手段の変化(鉄道⇒自動車・航空機)や局舎の老朽化を受けて機能の分散が進み、立派な局舎も近年は持て余し気味でした。残った業務も昨年秋ついに仮局舎に移転し、建物は解体。跡地には丸井を核とした商業ビルが建つ予定です。

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2014/08/03 (Sun) 09:00

池松ビル

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池松ビル
福岡市博多区博多駅東2丁目9-5/1970年4月/鉄筋コンクリート造地上6階地下1階建

博多駅の筑紫口側、合同庁舎付近にある中規模オフィスビル。

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2014/06/29 (Sun) 08:00

産恵ビル

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産恵ビル
福岡市博多区博多駅前4丁目3-2/1974年3月/鉄骨鉄筋コンクリート造9階建

住吉通り沿いに立つ、一見何の変哲もないオフィスビル。以前はその存在を気に掛けることもなく通り過ぎていましたが、ある日このビルを裏を通りかかったところ…

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2014/05/30 (Fri) 20:56

平野ビル

山田炭鉱の記事を始めてはや2ヶ月、ぼちぼち飽きてきたな~という方がいらっしゃるかもしれないので(私も含みます)、久々に福岡市の建築ネタをやります。今回ご紹介するのは博多区吉塚にあるビル2件。もともと別々に紹介するつもりだったのですが、どちらも同じ名前で似たような用途、さらには建造時期まで近いため、紛らわしいので合わせて1つの記事にまとめてみました。



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平野ビル
福岡市博多区吉塚2丁目/鉄筋コンクリート造4階建/1970年1月

まずは吉塚2丁目にある平野ビルから。

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2014/03/04 (Tue) 06:00

天神セントラルプレイス

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天神セントラルプレイス (旧 福岡三和ビル、現存せず)
福岡市中央区天神1丁目10-24/1960年12月/鉄骨鉄筋コンクリート造地上9階地下2階建+塔屋3層/2014年度解体
設計:東洋不動産 施工:大林組

今回ご紹介するのは、再開発により解体されることが決定している天神セントラルプレイスです。

(2015年8月)ビル閉鎖後の動きを追記。本文にも地下鉄通路の写真など、情報を少し追加しています

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