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2014/09/29 (Mon) 16:00

九州大学 久保記念館

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九州大学 久保記念館
福岡市東区馬出3丁目/1927年/鉄筋コンクリート造2階建

キャンパスの片隅にひっそりと残る戦前建築。医学部耳鼻咽喉科学教室の開講20周年を記念し、同教室の初代教授・久保猪之吉の名を冠した保存施設として建てられた「久保記念館」です。

グーグルマップでは表示されているのに大学のキャンパスマップに記載がない、という少々理解し難い状況にあるのですが、2003年3月に改修が完了しているとのことで解体の心配は無さそうです。もともとの立地が分かりにくいことも災いし「もう残っていないのだろうか」と心配する声も一部で聞かれましたが、正門入って左手の外来用第3駐車場(立体)の奥に建っています。

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2014/09/28 (Sun) 18:45

九州大学 医学歴史館


九州大学 医学歴史館
福岡市東区馬出3丁目/2014年9月竣工、15年4月開館/鉄筋コンクリート造2階建
設計:九州大学施設部、kataoka設計室 施工:小嶋建設

馬出キャンパス(病院地区)の正門から入って左手、創立75周年記念庭園の一角に建てられた洋館。医系の歴史的資料を常設的に展示・保存する九州大学初の施設として、来年春の開館を予定する「医学歴史館」です。建物の外観は同キャンパスにかつて存在した旧解剖学講堂がモデルとなっています。

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2014/09/25 (Thu) 09:00

九州大学医学研究院 基礎研究A棟

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九州大学医学研究院 基礎研究A棟
(旧 医学部第一、第二、第三内科教室および病室)

福岡市東区馬出3丁目/1931年/鉄筋コンクリート造地上3階(一部4階)地下1階建
設計:倉田謙・岩崎圓吾  施工:大林組

九州大学の中でも最も長い歴史を誇る病院地区において、代表的な戦前建築といえるのがこの基礎研究A棟です。大学側もキャンパスの象徴的存在として位置づけているらしく、医系ホームページ(外部リンク)では他の施設を差し置いてトップを飾っています。立派な車寄せをもつ玄関部を中心に左右対称に広がる「日」の字型の構成で、当初は病室も備えていたため箱崎キャンパスのシンボルである旧工学部本館(1930年竣工)以上に規模の大きな建物となっています。

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2014/09/23 (Tue) 17:00

過去2記事への追記(解体報告)

以下の2記事に追記したのでお知らせ致します。

田原眼科医院 (福岡市東区馬出5丁目) 昨年末で閉院していたそうで解体が始まっていました。記事内容も若干ながら加筆修正

文化ビル (福岡市中央区天神4丁目) 解体され駐車場になっていました

いずれも昨日現地を訪れ、残念ながら解体開始・完了を確認しました。特に田原眼科は1953年竣工の旧銀行支店であり、日銀福岡支店(51年)や北九州銀行福岡支店(54年)と並び福岡市における現存最古級の銀行建築だったので非常に悔やまれます(そもそも戦前竣工の銀行が残っていない状況がおかしいでしょう、というツッコミは省略)。



訃報続きで申し訳ないのですが、記事にしていなかった物件でも昨日解体を確認したのでついでに。

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2014/09/15 (Mon) 08:00

九州大学医学研究院 基礎研究B棟

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九州大学医学研究院 基礎研究B棟
(旧 医学部法医学衛生学微生物学教室および病室)

福岡市東区馬出3丁目/1935年/鉄筋コンクリート造地上3階地下1階建
施工:金子組

馬出キャンパスのシンボル的な存在・基礎研究A棟の裏側に建つ1935(昭和10)年竣工の戦前建築。基礎研究A棟に比べると一回り小さくなるものの、同じく「日」の字型の構成をとった規模の大きな建物です。しかし全くと言っていいほど装飾が見られないことと、裏門から入った方が分かりやすいほど奥まった場所にあることから、どちらかといえば建物のスケールに反して目立たない部類に入ると思います。

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2014/09/13 (Sat) 14:00

九州大学 歯学臨床研究棟

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九州大学 歯学臨床研究棟
(旧 医学部歯科・整形外科・口腔外科教室および病室)

福岡市東区馬出3丁目/1934年/鉄筋コンクリート造地上3階地下1階建
設計:國武周蔵  施工:辻組

馬出キャンパス(病院地区)の正門から入って右手、九大病院新病棟の向かいに建っている建物。これといって装飾は見当たらず威厳を感じさせる造りでもないため印象に残りにくく、事前情報が無ければ特に気に留めず通り過ぎてしまうかもしれません。しかし立ち止まってよく見てみると、中央に配置された玄関には簡素ながら車寄せが備わっており、また左右対称の均整のとれた外観から古い時代の建築であることが分かります。

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2014/09/13 (Sat) 08:00

お知らせ色々

【過去記事の改編】

経緯を事細かに説明すると少々ややこしいのですが…「下川端商店街」「寿通商店街(酒房やす)」の2記事について大幅に改編しているので、遅ればせながらお知らせします。昨年7月に「下川端商店街」と題した記事で紹介した店舗が正しくは寿通商店街の残存店舗だったため、これらの内容を「寿通商店街(酒房やす)」の記事に移し、大幅に構成を見直したうえで表題を「寿通商店街」に改めました。

改編後の記事⇒寿通商店街

なお内容に誤りのあった下川端商店街の記事は「未分類」カテゴリに移動させています。


【カテゴリの編集】

「福岡市の建築」のサブカテゴリ「その他」の名称を「その他(街並みなど)」に変更し、他のカテゴリから4つの記事を移動させました。現時点で同カテゴリに属する記事は以下の5つです。

寿通商店街 (博多区下川端町)
吉塚一丁目の商店街(仮称) (博多区吉塚1丁目)
須崎問屋街 (博多区須崎町)
千代3丁目の路地 (博多区千代3丁目)
春吉の飲み屋街 (中央区春吉1丁目)

建築物単体ではなく、商店街や飲み屋街、路地裏といった街並みを中心としたカテゴリになる予定。あくまで予定です。


【九大医学歴史館についての追加情報】

先日の記事を作成した後に改めて少し調べてみたところ、先月17日の西日本新聞朝刊1面で医学歴史館について取り上げられていたことを今更知りました。新聞記事の内容は九州大学生体解剖事件(※)に関する資料が同館に展示されることを伝えたものでしたが、

“医学歴史館(総面積590平方メートル)は正門のそばに建設中で、外観は医学部のシンボルだった旧解剖学講堂を模した (西日本新聞2014年8月17日朝刊1面)

と書かれていました。これを読む限りだと、あくまで外観のモチーフが旧解剖学講堂であるだけのようなので、やはり忠実な復元というよりはレプリカによるイメージ保存といった表現が適切なようです。という訳で後日記事にする際には「昭和末期~平成」のカテゴリでやることにしましょう。それから先日お伝えした記事で「近代建築が復元されるのかな?」と期待された方がいらしたかもしれないので、その点についてはお詫び申し上げなければなりませんね。

(※)…終戦直前、撃墜され捕虜となった米軍B29の搭乗員に対して生存を考慮しない生体解剖実験が行われた事件。大学の組織的関与は明確に否定されているが、関係者は戦後の裁判で有罪判決を受けた。詳細はウィキペディアの記事を参照

ところで、同館の工事を手掛けられている建設会社のブログ記事も今更ながら見つけたのですが。

◎株式会社小嶋建設 施工日記 > 九州大学(馬出)医学歴史館新営その他工事

専門用語が並んでいてよく分からないものの、これは鉄筋コンクリート造による建設ということで良いのでしょうか。趣味レベルの知識で建築ブログをやっていると、どうにもこういう場面で困ってしまいます。

2014/09/09 (Tue) 21:00

九州大学病院地区にて旧解剖学講堂の復元が進行中



先日のこと。久しぶりに九州大学の馬出(まいだし)キャンパス(通称・病院地区)を訪れたところ、正門から入ってすぐ左手にある庭園に見慣れぬ洋館が出現していました。建物を囲むように組まれた足場や周辺の状況から考えると、つい最近になって建てられた新しい施設のようなのですが、その佇まいは如何にも戦前の、それも明治~大正期の雰囲気を備えた近代洋風建築といった感じです。

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