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2014/10/19 (Sun) 08:30

崇福寺 山門前の風景

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崇福寺 山門前の風景
福岡市博多区千代4丁目

博多区千代にある崇福寺(そうふくじ)は1240年に太宰府で創建された臨済宗の寺院です。戦国時代には戦乱によって一時荒廃しますが、福岡藩の成立時に初代藩主・黒田長政によって現在地に移り、黒田家の菩提寺として再興。以来、博多の街を代表する寺のひとつとして親しまれ、同じく歴史の長い禅寺である御供所町の聖福寺、博多駅前の承天寺と並び「博多三禅窟(さんぜんくつ)」と称されています。

上写真は県道21号(大学通り、旧唐津街道)から一歩入った所に建つ山門(さんもん)。この門の前には木造の古い商店や旅館があり、周辺が住宅街へと変貌する中でかつての門前町の名残をとどめていましたが、山門付近の再整備や大学通りの拡幅計画によって少しずつ風景が変わり始めました。そこで今回は山門前の風景の変化について、先月時点での工事の途中経過と、一年前(昨年9月)に撮影した工事開始以前の様子を交えてご紹介します。

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まずは昨年9月の山門前の風景。手前の道路が大学通りで、山門との間には短い参道。

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向かって左側には「吾妻屋饅頭店」など木造2階建の古い商店が並んでいます。

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右側は奥に長い造りの旅館「常陸屋」の側面。

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大学通り対岸から。参道右側、旅館脇のスペースにも商店が並んでいたのかな?とも考えましたが、こちらのブログを拝見すると右側には古い博多塀が存在していたようです。

写真保存の意義 博多塀 (ただいまカメラの修行中

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ここからは先月撮影分。一つ前の写真(sfkj010)と同じアングルです。

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参道左側の商店群がすっかり姿を消し、跡地には従来の参道と塀で隔てられた新たな出入口が設けられていました。

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以前は自動車も山門を潜って出入りしていたので、恐らく文化財保護の観点からこのような措置がとられたのだと思われます。

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真新しい車道を通って境内へ入ると…

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新装なった吾妻屋饅頭店が出迎えてくれます。

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半年ほど前に旧店舗の解体を確認した際には、てっきり無くなってしまったものと勘違いしましたが、現在も営業を続けられていたので安心しました。

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ちなみに石畳の整備が進んでいる参道の脇にはこのような立て看板が。内容の道路拡張工事は「福岡市の」と付いているので、目の前を横切る大学通り(県道21号)ではなく参道のことを指しているのでしょう。

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しかし参道両側の塀は通りから一歩後退した場所で途切れており、大学通りの拡幅も想定した造りになっているものと思われます。先日取り上げたように近隣の九大馬出キャンパスも通り沿いの塀を後退させており、大学通りの拡幅工事が行われるのもそう遠い話ではなさそうです。

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仮にその日が来れば参道右側にある旅館常陸屋も、改築や新築移転など何らかの形で姿を変えてしまうことが予想されます。

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今回は参道の拡張工事に関する内容を記事の中心としましたが、今後もこの山門前の風景はゆっくりと確実に変容してゆくのでしょう。何だか少し寂しいような気もしますが、自分が見ている光景も変化の過程の一場面に過ぎないと思うと、こればかりはどうしようもないですね。


(おまけ)

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山門前の風景のひとつとして、向かいにあるこちらの住宅も存在感があります。

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裏側。2階に付いているトゲトゲは忍び返し(盗賊返し)と呼ばれるものだそう。文字通り侵入者を追い返すための設備で、現代的に言えば防犯用具といったところでしょうか。


(おまけ2)

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せっかくなので崇福寺についても簡単に見ていきましょう。写真は2012年~2014年撮影のものが混在しているので、万が一気になる場合は記事末をご参照ください。

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まずは山門から。もともとは福岡城の本丸表御門として建てられたもので、黒田家の菩提寺であった縁から大正時代に当地へ移築されました。県指定有形文化財です。

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扁額は鎌倉時代に後嵯峨天皇より贈られたもの。「西都法窟」とは鎮西(=九州)の禅宗の中心、という意味だそう。

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※画像クリックで拡大

本瓦葺きの屋根。カッコいい鯱が載っています。

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裏側。

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続いて境内の風景。門の向こうに見えるのは庫裏(くり)と呼ばれる僧侶の居住空間。

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右手は本堂に相当する大雄宝殿。門柱がどことなく洋風です。

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こちらの唐門も県指定有形文化財。福岡城の完成前に黒田家が入っていた名島城(東区)の遺構と伝えられています。

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博多塀の一種と思われる、瓦の交じった土塀。

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最後に、境内の最も奥に位置する黒田家の墓所。昨年から一般公開が行われており、9時から17時まで開放されています。

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「藤水門(とうすいもん)」と名付けられた門を潜ると…

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歴代藩主の立派な墓碑が整然と立ち並んでいます。緑に囲まれる季節は巨大な墓碑の存在感が際立ち、圧巻の一言です。

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一方で冬場に訪れるとどこか物寂しい雰囲気が感じられ、また違った印象を受けます。個人的にはこちらの方が好み。単に冬が好きなだけ、という面もありますが。

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墓所の裏側、敷地外の道路から。ちなみに黒田家墓所は現在でもかなりの規模を有していますが、戦後に改葬される以前はさらに広大な敷地だったというから驚きです。かつての敷地外縁をストリートビューで辿っていくと、境界の名残と思われる石垣が道路脇に確認できます。



今回で千代・馬出シリーズは終了。次回からは特にテーマのない気まぐれ更新に戻る予定です。なお、今回の記事で使用した写真の撮影年月は以下のとおり。

2012年7月)001
2012年11月)002~005
2013年1月)006
2013年2月)007、008
2013年9月)009~013
2014年9月)014~036

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