旧宮崎競馬場 一等馬見所

旧宮崎競馬場 一等馬見所
宮崎県宮崎市花ケ島町大原/1931年/鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
宮崎駅(JR日豊線)のひとつ手前、宮崎神宮駅の東側にはかつて宮崎競馬場が存在していました。現在はJRAの宮崎育成牧場となっていますが、昭和6年に建てられた一等馬見所(スタンド)が保存されています。このスタンドを含む敷地内の一部は「馬のいる公園」として一般開放されており、自由に見学することが可能です。開場時間は9時~17時、年中無休。
スタンド背面から見ていきます。
近代化産業遺産、あるいは廃墟として有名な旧根岸競馬場のスタンド(横浜市、1929年竣工)に比べると流石にシンプルな外観ですが、出入口の庇の形状や縦長窓に時代を感じますね。
背面南側には4本の円柱に支えられたピロティ的な空間があり、その左端に内部通路、また両側にスタンド上段へと続く階段が設けられています。
通路を抜けてトラック側へ。
スタンド内。地上からはさほど大きく見えませんでしたが、上ってみると結構な高さがあるように感じられます。
スタンド大屋根を支える鉄骨。なめらかな曲線の美しさ、リベットの力強さがたまりません。
中段に並ぶ囲い。現在は塞がれていますが、もともとはスタンド下の部屋の採光窓があったものと思われます。
スタンド北端には壁で仕切られた一画が。放送席か何かの跡でしょうか。
また屋根の上(3階?)にも何らかのスペースがあります。あいにく現役の競馬場を訪れたことがないため、実際にどのような使われ方をしていたのかは今ひとつ想像できません。
最後にスタンドからの眺め。かな~り遠くの方でしたが、馬たちが時折尻尾を振りながら草を食む長閑な光景が見られます。一面の緑と青空もまことに目に優しく、半日くらいボーッと過ごしたくなるような心地よい空間でした。
(撮影:2013年9月)
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