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九州大学 旧振動実験室  


九州大学 旧振動実験室
福岡市東区箱崎6丁目/1938年/鉄筋コンクリート造平屋建

小松門を入って左手にある旧工学部4号館の裏側、区画のやや奥に建つ箱型の建物。1938(昭和13)年竣工の旧振動実験室です。工学部の移転後は閉鎖され、現在は使用されていません。

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建物正面(冒頭写真)は専ら機材や試験体の搬入出に使用されていたようで飾り気は皆無ですが、側面に回ると戦前建築らしい雰囲気がそこはかとなく漂います。こちらは右側面。

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中ほどに設けられた通用口。建築当初のものと思われる、色あせた木製扉が残ります。

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頭上には薄い庇。

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窓は欄間と一体になった縦長窓で、2連×3の6列配置となっています(ただし中央左は通用口)。通用口より奥は当初の木枠が残っており、両開きの部分が水色に塗られているのが特徴。ベージュ色のモルタル外壁との淡い対比が良いですね。

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各窓の上には小さな換気口。

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続いて背面へ移動。こちら側にも薄い庇を備えた出入口がありますが、何より屋上へと続く片持ちの階段に目がいきます。

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手摺のない階段を上り屋上へ。特に見所がある訳ではないものの、「九大の近代建築の屋上にいる」と考えるとすごく有難みを感じる不思議。

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さらに、階段の途中にある窓からは内部の様子も少しだけ窺えます。床面よりも少し高い白色の部分が振動台、天井のレールは試験体を吊り下げるためのものでしょうか。ちなみに設備が大掛かりなぶん、平屋建てにしては背の高い建物となっているので、階段や屋上(ともに手摺なし)では注意が必要です。

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最後に、左側面へ。

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こちらも6列の窓割りですが、欄間窓がそれぞれ独立して設けられている点、そして当初の木枠がほぼ完璧に残っている点が異なります。

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正面が少々粗雑に改造されているものの、側背面は一転して原型をよく留めており、昭和戦前のRC造建築と一見して分かるだけの魅力はまだまだ失われていません。また外装のベージュは戦後に至るまで工学部の建物に多用されているため、古い建物に特別関心がなくとも、何となく親しみを覚える方も多いのではないでしょうか。

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当建物は有識者調査の評価対象となっておらず、保存活用への検討すらなされていない状況にあります。段差の少ない入口、平屋ながら広々とした内部空間、そして出入り自由な屋上…使い方によっては面白い存在になり得ると思いますが、どうでしょうね(と言いつつ、ほとんど期待はしていませんが)。

以上、旧振動実験室でした。

(撮影年月:2014年11月)

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