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ふくぎん博多ビル  


ふくぎん博多ビル
福岡市博多区上川端町12-20/2008年5月/鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造地上12階地下1階建+塔屋
設計:日建設計 施工:竹中工務店

今回は博多区上川端町にあるオフィス中心の複合ビル、ふくぎん博多ビルをご紹介します。

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地元地銀・福岡銀行の創業130周年記念事業の一環として、同行本部と持株会社の本社が入居する「ふくおかフィナンシャルグループ本社ビル」(中央区大手門、写真)と同時期に竣工。主要店舗の一つである博多支店を1階の一部と2階に構えていますが、店舗の規模以上に高い格式を感じる建物となっています。

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というのも、元々ここには同行の前身である十七銀行の本店(上写真、詳細後述)が存在し、福岡銀行設立後もしばらくは引き続き本店として使用されていたのです。つまりこの場所は福岡銀行の発祥の地であり、そうした歴史的経緯を踏まえてこのような立派なビルを建てたのでしょう。

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それでは建物を見ていきます。まずは西方向からの全景。

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やや接近。建物は明治通り(旧・西鉄福岡市内線貫線)に面しており、写真右へ進むと中洲や天神、左は呉服町となります。

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右手には上川端商店街(川端通商店街、博多川端商店街とも)の入口があり、南東の祇園町方面へアーケードが伸びています。

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左手は細い路地を挟んでオフィスビルと、裏手は複数の建物と接しているため、両側面と背面の外観は簡素に仕上げられています。

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また地上からはほとんど覗えませんが、屋上には塔屋(1層)を備えています。この写真は南方向、中洲から撮影。

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改めて建物全景。北方向、明治通り対岸より。

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ファザード外観の詳細。整然と並ぶプレキャストコンクリートの列柱が圧巻です。

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3階以降の柱間にはルーバーが追加され、いっそう彫りの深い外観を形成するとともに、1・2階の基壇部を強調しています。

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真下より見上げる。これらの列柱はファザードを飾るための意匠的な役割のみならず、内部の柱を減らして広い空間を確保するという実用的な一面も併せ持っているそうです。

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正面玄関。ファザードの中央に柱間2つ分の開口部を取って設けられています。

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上吊り式の薄い庇がスマートな印象です。

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玄関の右手は店舗ゾーン。撮影時は明治通り側に長崎・佐世保・雲仙の長崎県3市が共同出店するアンテナショップ「キトラス」が入っていましたが、業績不振や雲仙市の撤退表明を受け、残念ながら今年の1月いっぱいで閉店。

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なお、後継テナントとして西鉄ストア(本社:福岡県筑紫野市)の都市型小型スーパー「レガネットキュート」の出店が決定しており、今月10日にオープンするそうです。

7/10レガネットキュート中洲川端店がオープンします! (西日本鉄道のニュースリリース、PDF)

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同じく店舗ゾーン、商店街側(建物右側面)にはカフェ・ベローチェ中洲川端駅前店が入居。

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カフェの店名が示すように、当ビルは中洲川端駅(福岡市営地下鉄空港線、箱崎線)に直結しており、川端側の5番出口がビルの一角に組み込まれています。出口の階段は二手に分かれていて、一方は商店街側に。

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もう一方は正面玄関の右脇に通じています。また玄関前には西鉄バスの「川端町・博多座前」バス停もあり、交通アクセスは非常に良いです。

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最後に夜景を少し。

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自分の写真では今ひとつ伝わらないですが、コンクリートの骨組みから漏れる光が中々に美しいです。

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ちなみに下川端町のリバレインセンタービル(博多リバレイン)とは向かい合って建っており、綺麗に整備された道路とともに洗練された都市景観を作り出しています。リバレインはまだまだ大成功とは言えないものの、ふくぎん博多ビルについては21世紀の上川端町の顔として相応しい存在だと言っても異論はないでしょう。

以上、ふくぎん博多ビルでした。


(おまけ…福岡銀行旧本店)

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福岡銀行旧本店 (旧十七銀行本店、現存せず)
福岡市下新川端町18番地、1966年より福岡市上川端町12-18/1938年/鉄筋コンクリート造4階建
設計:佐藤功一 施工:清水組

現存しない旧本店についても併せて紹介しておきます。第十七国立銀行として創業した株式会社十七銀行の本店として、1938(昭和13)年に建てられました。設計は早稲田大学大隈講堂(新宿区)や日比谷公会堂(千代田区)などを手掛けたことで知られる佐藤功一。昭和10年代ということで華美な装飾はないものの、4本のコリント式ジャイアントオーダーを備えるなど、戦前の銀行建築らしい風格のある建物だったようです。

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戦時中の1945年3月、十七銀行を含む県内4行が合併し福岡銀行が設立。戦後も機能拡大に伴う新館増築(写真左手前)を経て、1975年に現本店(黒川紀章設計、写真)が天神町支店跡に完成するまで、30年間にわたり福岡銀行の本店が置かれていました。新館増築と同時期に、本館(旧来部分)もファザード装飾の撤去や通り側1階のピロティ化(道路拡幅の影響)といった改装を受けるものの、建物自体は本店移転後も博多支店として数年間残っていました。それから現在のふくぎん博多ビルが建つまでの間には、鉄骨造の単独店舗が存在していたようです。

< 旧本店の歩み >
1938昭和13 9.5   竣工。福岡市博多橋口町5番地より本店機能を移転
1945昭和20 3.31 戦時統合により福岡銀行設立、同行の本店となる
1958昭和33 5   新館裏側の増築工事に着手。同年12月完了
1959昭和34 5   新館表側の増築工事と本館の改装に着手。翌年4月完了
1975昭和50    福岡市天神に現本店完成。博多支店となる
1980昭和55頃   店舗建て替えにより解体(地下鉄工事の影響?)


旧本店の建物の歴史を簡単にまとめると、このようになります。

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旧本店の建物については跡形もありませんが、旧本店で使用されていた金庫室の扉がふくぎん博多ビル2階、現在の福岡銀行博多支店の一画にて保存されています。

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詳しい説明板などは設置されていないものの、銀行の歴史を物語る展示物という位置づけには違いないようで、行員さんは見物に訪れた自分を嫌な顔ひとつせず対応して下さりました。

【撮影年月】
2013年2月)001~003
2013年11月)004~010
2013年12月)011、012
2014年2月)013~015
2015年1月)016、017
2015年2月)018~021
2015年6月)022~026

【参考文献】
『株式会社十七銀行六十年史』 1940年/株式会社十七銀行 六十年史編纂委員会/同左
『清水建設株式会社 九州支店50年』 1956年/清水建設九州支店50年編集委員会/清水建設九州支店
『福岡銀行二十年史』『付編』 1969年、1970年/福岡銀行/同左

【参考サイト】
◎日建設計HP > 作品-銀行・金融 > ふくぎん博多ビル
福岡銀行、中洲川端商店街に新ビル-博多支店もリニューアル (博多経済新聞)

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