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【八女市&筑後市の旅】旧国鉄矢部線を辿る  

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▲八女市本町東古松町の街並み

今年の7月某日、福岡県南部にある八女市の中心部・福島に行って来ました。八女福島は城下町に端を発する歴史ある街。昔ながらの街並みが開発を免れてよく残っており、2002年には重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に選定されています。今回の旅ではこの重伝建地区とその周辺を巡り、古い建物などを見て回りました。

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▲今回利用したレンタサイクル

かつて八女市には鹿児島本線の羽犬塚駅(筑後市)から分岐した国鉄矢部線が通っていましたが、赤字ローカル線として1985(昭和60)年に廃止され、現在は市内に鉄道路線はありません。そのため公共交通機関はバスのみとなりますが、事前にアクセス方法を検討していると…どうやら羽犬塚駅の駅前にレンタサイクルがあるらしい。

ちくてく新聞 > レンタサイクルリニューアル!3台が新車になりました☆

ということで、羽犬塚駅から自転車で旧矢部線の跡を辿りつつ、八女福島の街を目指すことにしました。当日はレンタサイクルの貸出時間をフルに活用して福島への往復と散策に充当し、その前後(朝と夕方)に羽犬塚駅周辺をウロウロ。延べ9時間近くの行程となったので、今回の旅の模様は4編に分けてご紹介します。


<八女市&筑後市の旅(1) 旧国鉄矢部線を辿る> 

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まずは八女福島までの道中で、旧矢部線の跡を簡単に見ていきます。起点である羽犬塚駅の0番ホームを出た後は、700mほど鹿児島本線と並走しつつ南下していました。近年、かつての路盤に沿う形で九州新幹線の高架橋が建設されているものの、その足元では依然として遺構が見られます。

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駅を出て最初にある和泉踏切。手前のアスファルトに切れ目が入っており、矢部線のレールを剥がさずに舗装したことを物語っています。

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こちらは花宗川に架かるコンクリート製の橋梁(写真中央)。奥は鹿児島本線の現役の橋梁で、手前は新幹線の工事のために造られた橋のようです。

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※画像クリックで拡大

銘板をズーム。名称はそのまま「花宗川橋りょう」で、1965(昭和40)年に架け替えられたものだそうです。

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渡った先で向かって左手に分岐し、緩やかに弧を描きつつ東へ進路を変えます。

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しばらく進んで振り返った様子。分岐した後の路盤は道路に転用されており、脇に並ぶ「工」マークの境界杭を横目にペダルを漕ぎ進めます。途中で国道209号の跨線橋を潜りますが、訪問時は工事のために迂回を余儀なくされました。その先で矢部線跡の道路は2車線となります。

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さらに歩を進めるうちに、今度は九州自動車道の高架を潜ります(鵜の池橋)。

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橋桁の裏側を見上げると、中央に一本の黒い汚れが見て取れます。この区間の九州道は矢部線廃止前の73年に開通しているそうなので、恐らくこれは矢部線を走っていた気動車(ディーゼルカー)の排煙によるものでしょう。

九州自動車道 (Wikipedia)

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八女市鵜池の旧農業倉庫
昭和20年代以前/煉瓦造?

九州道を潜った少し先で、左手に赤レンガの建物が現れます。この辺りは鵜池(うのいけ)駅の跡地にあたり、もともとは農業倉庫として使用されていたようです。地方の駅前に煉瓦造の農業倉庫、というのは確かに各地で見られた風景ですが…そもそも矢部線は終戦直後の1945(昭和20)年12月に開業した路線であり、素直に考えると、煉瓦造建築が戦後に建てられた珍しいケースということになります。

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しかし、矢部線の計画自体は戦前にまで遡り、また戦時中も建設工事が進められていたことから、この農業倉庫が路線の開業に先んじて建てられた可能性も十分にあるといえます。さらに、煉瓦が外装材に過ぎない場合も一応考慮し、竣工時期は「昭和20年代以前」、構造は「煉瓦造?」と表記しました。

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※画像クリックでグーグルストリートビューのページへ移動 

ちなみに鵜池駅についてもう少し述べておくと…片面ホーム1面1線の駅で、開業時は駅舎がありましたが、廃止前に解体されて八女市の市営住宅(鵜池団地)が建ちました。この市営住宅は現存しており、北側に並行する県道96号からの駅へのアプローチ道路も、そのまま住宅へのアプローチとして残されています。

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しばらく田園風景の中を走った後、左手の歩道に「八女福島のトンネル藤」なるものが現れます。これは矢部線で使用されていたレールを再利用した藤棚で、かつての八女福島の玄関口・筑後福島駅の跡地に整備されています。

という訳で、起点の羽犬塚からあれこれ見ながらの道程だったものの、1時間もしないうちに八女市の中心部に到着しました。自動車道路に比べて勾配の少ない鉄道の跡を通ったこともありますが、この地域も福岡・佐賀両県にまたがる筑紫平野の一角にあたり、そもそもの地形が平坦であるようです。八女市はそこそこ内陸にある都市という印象を持っていたので、拍子抜けするほどに楽な道のりでした。

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筑後福島駅跡の大部分は物産施設や民俗資料館を併設する「八女伝統工芸館」となっていますが、跡地の一画は鉄道記念公園として整備され、矢部線の歴史を記した説明板などが設置されています(写真)。

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伝統工芸館や公園の外にも、かつてこの辺りに駅があった名残が見られます。なお、旧国鉄矢部線はさらに東の黒木駅(旧八女郡黒木町、現八女市)まで続いていましたが、今回の旅のメインはあくまで八女福島の街並みなので、矢部線跡のトレースについてはここで終了です。次回から本題に入ります。

(続く)


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(撮影年月:2015年7月)

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