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【八女市&筑後市の旅】八女福島・前編  

<八女市&筑後市の旅(2) 八女福島の街並み・前編>



前回の続き。旧国鉄矢部線・筑後福島駅跡を後にし、八女福島の古い街並みを巡ります。街並みは南側を旧矢部線に、北側を県道96号に挟まれる形で広がっており、今回の旅では駅跡を起点として概ね時計回りに進みました。

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旬彩工房 La Kinpukutei(きんぷく亭)
福岡県八女市本町178/昭和戦前/木造2階建/閉店済み

京町交差点の角にある、淡いピンク色に塗られた下見板張りの洋館。もともと昭和初期に「岩崎屋」という商店として建てられたもので、戦後は「金福堂書店」となり親しまれていましたが、昭和60年代に惜しまれつつ閉店します。その後しばらく空き家となっていたところを、解体修理のうえ2005年から飲食店として再活用されることになりました。

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しかし、角に設けられた玄関には「9月30日のランチタイムをもって閉店しました」との告知が貼り出されています。どうやら昨年秋の時点で廃業されているようです。

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京町交差点から西へ進みます。

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八女市本町の洋館付き住宅
昭和戦前?/木造平屋建

通りに面した敷地が駐車場になっているおかげで、その姿を遠目ながら僅かに望むことができます。ベージュ色のタイル張り外装に縦長窓を備え、寄棟造の屋根は瓦葺き。入母屋の主屋の方は洋館よりも古いかもしれません。

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招屋
八女市本町202/大正~昭和初期?/木造2階建

城下町の面影を残すS字カーブの先にある町家。現在は招屋(まねきや)という雑貨店・ギャラリーとなっています。

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左側面には煉瓦造の防火壁。この防火壁の存在に加え、もともと八女福島の町家は入母屋造妻入りのスタイルが一般的だったそうなので、この建物の竣工時期は大正から昭和一桁ではないかと思われます。

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福島酒造
八女市本町204/1928年?/木造平屋建など

招屋の向かいにある造り酒屋。日本酒「花宗」などを製造・販売されています。企業としての設立は1928(昭和3)年ですが、創業は江戸後期とのこと。

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通り側の腰壁をモルタル洗い出し仕上げとし、目地を切って石張り風に見せています。

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引き続き西進。この通りはかつての往還道にあたり、伝統的な町家が軒を連ねています。

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ただし近代に入ってから道路が2度拡幅されており、正面1階を切り取る形で後退させたお宅も多いそうです(いわゆる軒切り)。そのため2階は当初の白壁である一方で、このように1階の一部がモルタル仕上げとなっているケースが各所で見られます。

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八女市本町の住宅
大正~昭和戦前?/木造2階建など

さらに進んだ先、十字路の角にある大きな建物。いかにも近代和風建築といった感じの立派な造りです。

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現在は純粋な住宅のようですが、玄関のガラス戸越しに木製の重厚なカウンターが確認でき、ただならぬ雰囲気を感じます。当初の用途が気になるところです。

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さらに敷地は十字路の南側まで続いており、奥にはこのような洋風の建物も存在します。

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半切妻屋根に縦長窓、要所を縁取った淡い水色など…昭和初期の木造洋館らしい特徴を備えていますが、その一方で外装材は新しく見えるので、今ひとつ竣工時期が読めません。近年になって大幅な改修を行っているのでしょうか。

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渡辺食料品店
八女市本町250/明治~昭和戦前/木造2階建

これも同じ十字路にある町家。2階の窓をちょうど角の部分に設けており、ちょっとモダンな印象を受けます。

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1階では食品店を営まれています。角にはタイル張りの窓口。

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向かって右手(東側)にはガレージが付属。こちらはファザードの全面をモルタルで仕上げ、2階窓にはまぐさを模した意匠を施しています。ただし前面の外装以外は北側に付属する蔵と似通っているため、ひょっとしたら当初はこちらも蔵で、後にガレージとして改装した際に現在の姿になったのかもしれません。

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ここの十字路は駐車場となった一角を除いて古い和風建築が向かい合っています。しばし足を止め、見とれてしまいました。

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自転車のスタンドを蹴り上げ、今度は北へ進みます。

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後で知ったのですが、この時の私はちょうど旧往還道と同じルートを歩んでいました。道理で古い建物が多い訳です。

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田中熊吉商店
八女市本町西古松町290/明治~昭和戦前/木造2階建、3階建など

1844年に創業した老舗の提灯店。複数の建物によって構成され、向かって左手(北側)は木造3階建てとなっています。

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中央の切妻造平入りの建物は腰壁にスクラッチタイルを張っています。途中から仕様が変わっていますが、増築して継ぎ足した名残でしょうか。

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向かい側の別のお宅にも同様のスクラッチタイルが見られました。この通りではモルタルよりもタイルの方が多かった気がします。

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東矢原町交差点を過ぎ、さらに北上。山門の横に太鼓楼?のあるお寺(正福寺)がありました。

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こちらはお寺の右手(北側)にある町家。

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ややくたびれていることもありますが、かなり古そうです。

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その先の十字路を左折して再び西へ。

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喜多屋 (旧 白花酒造)
八女市本町374/木造2階建など

突き当たりに現れるのが、文政年間(19世紀前半)創業の老舗蔵元「喜多屋」です。戦後に当時販売していた銘柄をとって「白花酒造」と改称し、平成に入ってから再び創業当初の屋号を復活させています。

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白壁の店舗部分も素敵ですが、この洋風の建物を是非とも見ておきたかったのです。『日本近代建築総覧』によると竣工は1933(昭和8)年で、用途は事務所と貯蔵所とのこと。

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モルタル外壁に目地を切り、蛇腹にはディンティル(歯飾り)を、妻壁にはメダリオンを施します。ベージュ色はオリジナルではないかもしれませんが、全体としては概ね原型を保っているようです。

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敷地の奥には六角形の煉瓦煙突。積み方はイギリス積みで、頂部には古風なデザインの避雷針が付いており、この煙突も中々の年代モノと思われます。

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県道96号側には和風ながら立派な酒蔵があり、また敷地を囲う塀(コンクリートまたは煉瓦+モルタル)も古そうで、他にも色々と見所がありました。ちなみに先程の福島酒造はここの分家で、現在も資本関係があるそうです。

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堂島屋 鶴陶器本店
八女市本町350/昭和戦前?/木造2階建

県道96号「矢原町」交差点の角。もともとは陶器店で、現在は雑貨などを扱うギャラリーとなっているようです。ここは先程の田中熊吉商店と同じ通りの突き当たりで、やはり同様のスクラッチタイルが使用されています。

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2階をやや後退させてバルコニーを設け、柵を巡らすスタイルは昭和以降のモダンな雰囲気です。ただし、伝統的な町家の下屋部分を陸屋根にしてタイルを張っただけとも思えるので、建物自体の竣工年はもう少し古いかもしれません。先程来た道を戻り、東矢原町交差点から東へ。

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不動館湯
八女市本町471-3/昭和戦前/木造2階建/廃業?

2階建ての立派な銭湯。残念ながら営業されていない様子。

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1階右手に張り出した洋間が目を引きますが、銭湯入口の看板や窓枠も凝った造りです。現在はボードに覆われている2階部分も、当初は洋風の瀟洒な外観だったのではないでしょうか。

(続く)


大きな地図で見る ※個人所有の住宅はマップに反映させていません

(撮影年月:2015年7月)

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