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九州大学 近代建築物撮影ツアー  



もう1ヶ月前の話になりますが…九州大学箱崎キャンパス(福岡市東区)で開催された近代建築物の見学・撮影ツアーに行ってきたので、その模様をご紹介します。新キャンパスへの完全移転を数年後に控えた箱崎キャンパスでは、跡地の再開発に向け、施設を解体して更地にする工事が徐々に始まっています。そんな中で今後解体が予定されている5棟の歴史的建造物(※)について、関係者や専門家の方による説明を受けつつ見て回るというのが、今回のツアーの大まかな内容です。

※…旧法文学部本館、旧文学部心理学教室、旧応用化学教室、旧工学部高温度化学実験室、第三学生集会所(三畏閣)の5棟

最初にこのツアーの開催を教えて頂いた際、これら5棟の解体がほぼ決定事項であることに面食らった部分もあったのですが…これまで見ることのできなかった建物内部も一部公開され、しかも開催時間中(10~12時)は撮影自由ということで、これは行くしかあるまい!と喜び勇んで参加した次第です。なお、ツアーの詳細やその模様については以下のサイト(外部リンク)をご参照ください。

箱崎キャンパス近代建築物撮影ツアー (九州大学HP)
九大箱崎の100年たどる 解体前見学・撮影ツアー (読売新聞)

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まず集合会場で全体説明が行われた後、参加者(100人ほど)は3つのグループに分けられ、それぞれ別のルートで建物を見て回ります。私の入ったグループが最初に向かったのは旧応用化学教室(1927・昭和2年竣工、鉄筋コンクリート造4階建)。「応用物質化学機能教室」と名前が変わったのち役目を終え、2006年から閉鎖されていました。

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あれだけ固く閉ざされていた玄関扉が、今回のツアーに限ってすっかり開け放たれています。もうこの光景だけでも感涙モノ(?)ですが…

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内部は流石に目の覚めるような美しさ。管理上の都合からか公開範囲は玄関付近のみでしたが、見た感じでは特に手を加えられた部分もなく、竣工当初の内装を概ね留めているようでした。

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続いて向かったのは旧法文学部本館(1925大正14年、鉄骨鉄筋コンクリート造4階建)。後に応用力学研究所と生産科学研究所(現・先導物質化学研究所)が入り、これも2006年まで使用されていました。

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これまた扉が開いていることに一々興奮しつつ、

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玄関ホールまで見学。

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この建物の場合は文系施設から理系の研究施設へと転用された経緯があるため、内部は相応の改造を受けているそうですが、やはり玄関ホールについては原状を留めています。事前に配布された資料によると、階段室や1階の室内も当初の内装が残っているとのこと。

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旧法文学部本館の裏側にある旧法文学部心理学教室(1927昭和2年、鉄筋コンクリート造2階建)へ移動。この建物は閉鎖されておらず、今のところアドミッションセンターとして使用されています。

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小規模な建物なので玄関ホールのような空間はなく、入った先にある階段の親柱を見て折り返し。この階段は心理学の観点から造りが云々…と何やら面白そうな逸話があるそうです(後ろの方にいたので聞き逃してしまった)。

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ちなみに旧心理学教室を見学する前に、他のグループとの入れ替わりを待つ関係で、ツアー対象外の旧法文学部図書館(1925大正14年、鉄筋コンクリート造2階建)についての説明も行われました。現在この建物は九大附属図書館の記録資料館が書庫として使用しており、保存か解体かはまだ少し先の話になるのですが、キャンパス内に保管されている戦前の機械類の展示施設として、完全移転まで一時的に活用する計画があるそうです。

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最後に向かったのが、キャンパス敷地外にある第三学生集会所・三畏閣(1937昭和12年、木造2階建)。学生の集会施設として長らく使用されてきましたが、今年度に入って閉鎖されています。

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キャンパス内の建物とは異なり塀に囲まれているので、外観を間近に見るのも今回のツアーが初めてです。門から玄関へのアプローチの端には鉱滓煉瓦(※)が敷き詰められていました。

※…製鉄の過程で生じた残滓(=スラグ)を再利用した煉瓦。八幡製鉄所(現在の北九州市)で製造されていたため、福岡県内の各地で見られる

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この三畏閣では靴を脱いで上がり、入って左の大集会室(冒頭写真)まで見学することができました。和風建築ということでそれほど関心は高くなかったものの、いざ中へ入ってみると階段の手摺部分のデザインなど、分かりやすい見所も多かったです。靴下が埃で汚れてしまうのを気にすることもなく、むしろお土産を貰ったような気分になれるほど、確かに一見の価値のある建物でした。

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ツアーはここで解散となり、庭などを見てからキャンパス敷地内へ戻ります。やはり団体行動中はカメラを構える機会が少ないので、小走りでもう一度建物を回り、時間いっぱいまで内部の写真を撮りました。これらの写真はいずれ個別記事に追加しようと思います。

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ちなみに私たちのグループでは旧工学部高温度化学実験室(1932昭和7年、鉄筋コンクリート造平屋建)を訪れなかったのですが、係の方に後から確認したところ、この建物に限っては内部の公開は行われていないとのこと。そのためツアーには組み込まれなかったのでしょう。

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個人的に旧法文学部本館と旧応用化学教室の2棟は九大で最も好きな建物なので、これらの解体が決定的となっているのは本当に残念で残念で仕方ないのですが…いずれも閉鎖されて10年近く経過していますし、埃だかカビだかに覆われた壁や床を目の当たりにすると、古い建物を使い続けることの難しさを改めて思い知らされたような気がします。

「玄関だけじゃなく屋上まで全て見たい」「できれば建物を残してほしい」などと欲を言えばキリがないのですが、まずはこのような機会を設けて下さった関係者の方々に感謝しなければならないと思います。そして今後も近代建築物については“適切に記録保存を行い、公開する予定”とのことなので、仮に他の建物でも解体が決まったとしたら、今回のようなツアーが開催されることを期待したいです。

(撮影年月:2015年10月)

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