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2018/03/24 (Sat) 09:00

相知市民センター


相知市民センター本館(旧 相知町役場庁舎)
佐賀県唐津市相知町相知2055-1/1962年/鉄筋コンクリート造+鉄骨造、地下1階・地上2階建/建て替え計画あり

引き続き唐津市より、相知市民センターの本館をご紹介します。旧相知町(おうちちょう)の役場庁舎として1962(昭和37)年に建てられたもので、同町の中心部、いずれも唐津市と佐賀市を結ぶ国道203号線・JR唐津線の沿線に位置し、JR相知駅から徒歩10分の距離にあります。

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2005年の合併によって唐津市役所の支所となった後、機構改革による支所機能の縮小に伴い、市は2015年度から全支所を「市民センター」に改称。さらに、相知市民センターなど3か所について、老朽化等を理由に今後解体する方針を固めており、このうち相知では図書館を併設する複合施設への建て替えが検討されています。

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それでは現庁舎を見ていきましょう(写真は2016年撮影)。庇・バルコニーや大きく取られた窓など、この時代の庁舎建築らしいファサードですが、一方で小窓を並べた階段室をはじめ、それなりに個性的な部分も見られます。

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玄関もこの建物の特徴のひとつ。バルコニーが玄関庇を兼ねて円弧状に張り出している上、低いながらも石段と車寄せスロープを備えています。正面中央ではなく右寄りに配置されており、左右対称のファサードとはなっていないものの、どことなく戦前のお役所の名残を感じさせる造りです。

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内部も少しだけ(許可を得て撮影)。入ってすぐ左手に階段があるのですが、踊り場にかけて緩やかな曲線を描いています。

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手すりの詳細。支柱は2本組と1本だけのものが交互に並んでおり、繊細かつリズミカルな印象です。

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バルコニーにも出させてもらいました。ちなみに2階西側(正面向かって左手)は旧議場で、外階段は議場への出入りも兼ねていたのかもしれません。

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外部に戻って、外階段を横から。「入」の字のように支柱が斜めになった構造です。足下にはドライエリアがあります。

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外壁は腰壁に茶色の小口タイル、柱型には水色のモザイクタイルが使用されており、後者はやや立体的な形状です。

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側背面。鉄骨造の部分は増築ではなく竣工当初からのもので、本体と同様に腰壁はタイル張りとなっています。

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玄関から見た様子。手前のモニュメントには、同町にある鵜殿(うどの)石仏群の磨崖仏を模したレリーフと、かつての町章が見られます。

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以上、相知市民センター(旧 相知町役場庁舎)でした。最後に、館内の見学・撮影を快諾してくださった職員の方々に、改めてお礼申し上げます。


【撮影年月】
 2016年4月

【参考文献・リンク】
『相知町史 下巻』相知町史編さん委員会/相知町/1977年
唐津市HP > 相知市民センター(新庁舎建設)市報からつ平成27年5月号(Vol.124)
唐津観光協会HP > 鵜殿石仏群

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