北九州銀行福岡支店

北九州銀行福岡支店(旧 山口銀行福岡支店)
福岡市博多区店屋町8-27/1954年/鉄筋コンクリート造地上3階地下1階建
設計施工:清水建設 ※現存せず
大博通り沿い、呉服町交差点のすぐ近く。古典的な装飾こそありませんが、戦前から続く銀行建築のスタイルを感じさせる建物があります。北九州銀行福岡支店です。
(2015年1月追記)新店舗へ移転し、この建物は旧店舗となりました
(2016年2月追記)旧店舗の解体を確認。後日改めて追記します
玄関周辺。
大きな窓と鉄格子が特徴。両端の黒御影石がアクセントになっています。
北九州銀行は山口銀行が九州事業を切り離して新たに設立した地銀で、2011年に誕生。この建物もかつては山口銀行の看板を掲げていました。この建物が当初から山口銀行の支店だったのかは未確認ですが、竣工年と設計・施工ともに清水建設であることは『福岡の近代化遺産』に載っています。 ※山口銀行福岡支店の初代店舗として竣工
金属材が特徴的ですね。戦前のスタイルと戦後の素材の組み合わせというのも、なかなか珍しいかもしれません。
側面を覗いてみると、ファサードよりも古そうな印象を受けるデザインです。
よーく目を凝らすと、窓廻り以外の柱と梁にあたる部分、水平方向に細かいラインが走っていますね。もともとタイル張りだったのを白色塗料で塗り込めているんじゃないでしょうか。
裏側に回ってみましたが、こちらも壁は真っ白でした。ただ縦長の窓や煙突なんかは戦前の銀行建築にそのまま通じるものがありますね。
窓詳細。2階の窓より3階の窓のほうがやや縦長です。
夜景。右隣は九州勧業呉服町ビル。かつては日産生命ビル(?)が建っていた場所で、さらに昔は片倉ビル(共進亭ホテル)でした。
ここも前回紹介した日銀と同じで、街灯に照らされています。
玄関部だけは自前で光っています。これも、日銀と同じです。
北九州銀行というか山口銀行さんは、支店の建物が古くなっても大事に使用されているように思われます。福岡の地銀各行、信用金庫のみなさんにも、もう少し頑張っていただきたいですね。以上、北九州銀行福岡支店でした。
本当は福岡の銀行建築シリーズをやりたかったんですが、福岡市の古い銀行というと前回の日銀福岡支店、それから以前紹介した田原眼科(旧西日本銀行)くらいしか知らないんですよね。悲しいことに。大博通りをもう少し海側に進んだ所の十八銀行、あれが微妙なラインに入るくらいでしょうか。次回は久しぶりに、福岡市以外の建物をご紹介します。
(2015年1月29日追記)
今月26日、北九州銀行福岡支店は同社の呉服町ビル(博多区上呉服町1-8)に移転しました。今後この建物がどうなるのか、気になるところです。
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